到彼岸〔とうひがん〕・妄想MEMO 【パロディ】クロイツェル・ソナタ その6
【個人的妄想のメモと気が向いたときの近状記録】 ここはヘルシング同人サイトの2次創作専用のブログです。 妄想の糧やオタの日常を呟いています。 心当たりがないのに、何故か迷い込んでしまった方は、速やかにお帰りくださいませ。
| Admin | Write | Comment |
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

この前、回線切断という悲惨な目に遭い挫折したパロディその6。
今夜はやる気を出して再度挑戦です。

ちょっと短め。その上、まだまだ続くのかよ?!な展開になって来ました。どこまで引っ張るんだ!!と思いつつ、まだ続きます。


そして本日気がついた。今年は2011年。何とグラさまに恋してまるっと10年。

昔のFDに存在している妄想で一番古いものが2001年2月の日付。
また君に~恋してる♪ どころではありません。もうずっと君に~恋してる♪  そんなストーカーっぷりです。

お嬢のストーカーを続けて10年!!自分で恐いww でもまだ続きます(爆)






【ご注意】
・お題は「アーグラでホストパロ 18禁」です。
・格好いいお嬢さまや旦那が出てくる話には、到底、なりそうにもありません。
・完全なるパロディです。ヘルシングの内容からは大きく外れております。


以上をご了解の方のみ、「続きはコチラ」をクリックしてお読み下さい。



小説ページに戻る








クロイツェル・ソナタ その6







「―――おいっ、何でお前がここで下りる?!さっさとタクシーを呼び戻して、家へ帰れよ!」






インテグラの暮らしているマンション前に車が停まる。

「今夜はありがとうございました。」とぶっきら棒な口調で男に一応礼を述べたインテグラは、車を振り返ることもなくさっさと下りて、自分のマンションへとスタスタと歩き出した。
心身共に疲労していたが、この男から送られた事でさらに疲労度は増して、身体は比重が重い液体で満たされたようなだるさだった。だが、男に対する腹立ちがかえってインテグラの疲労した身体を動かす原動力になっていたのは、皮肉とも言えた。この男の前で「疲れた」とは言いたくないし、そんな素振りを見せるのは真っ平だった。

自分が働く店の頂点に立つ男に相当に腹を立ててたインテグラは、やり場のない怒りを歩く速度に転化して思いのほか足早に、肩をいからせてマンションのアプローチを抜けた。
そして、エントランスに入ろうと、彼女が扉の前で足を止めた時だった。


「一人暮らしの学生の身分にしては、随分と贅沢なんじゃないのか?親からの仕送りで、こんなに豪勢な場所で暮らせるとはいい身分だな、小僧。」


斜め後ろ・・・・・・インテグラのすぐ側の高みから降ってくるその冷え冷えとした皮肉な口調に、インテグラは「はぁーーーっ!?」と頓狂な声を出して振り返る。
するとその視線の先には漆黒の城壁のような男の身体が立ち塞がっていた。

ヘルシングの担う役割と、それを継ぐ者の心得として、彼女はそれなりの訓練は受けていたつもりだったし、その用心を欠かしたことはない筈だった。しかし、インテグラの後ろを黙ってついて来た男の気配と足音に気付かなかったのだ。
幾ら疲れていた、腹を立てていたとは言え、彼女はそんな自分の不甲斐なさに怒りを覚えると共に、この男の得たいの知れなさと先が読めない行動に眦を吊り上げる。

平静を装って取り繕っていた顔も声も、そして目上の人物だから・・・・・・と気を使っていた丁寧な口調も吹っ飛ばし、インテグラは乱暴な言葉を吐いて、素の気性の激しさをさらけ出し、怒鳴りつけたのが先程の叫びだった。





「何を考えてんだ、アンタは?!馬鹿か?何で私と一緒に下りるんだッ!本当に馬っ鹿じゃないのかーーっ!!」

胸倉をつかんできそうなインテグラの怒りに、それでも男は相変わらず涼しい顔だった。


「家まで送る――と言ったら、ちゃんと玄関のドアを開けて家に入って『ただいま』と言うところまで見届けるのが大人の役割であり、常識と言うものだろう?何せお前はまだ子供で、学生の身分だ。」


「げっ、玄関のドアを開けて家に帰るまでって、何だ、その常識はっ?!っていうか、そもそもお前の口から『常識』と云う言葉が出ること事態、非常識に感じるぞっ!」


「お前、だの、アンタ、だの。全く失礼な坊主だな、親の顔が見てみたいぞ。面と向かって話す相手の名前くらいちゃんと呼べんのか、インテグラ。」

暗に『常識が通じない非常識なやつ』と言われたことに腹も立てず、男は気安く「インテグラ」と彼女の名を呼んだ。錆を含んだ低い声なのに、ベルヴェットを思わせる滑らかさを含んだその声に名を乗せられ、インテグラの首筋の毛が何故かザワリと立ち上がる。

漆黒の男は「だから私は、お前をちゃんと家まで送らねばならんのだ。分かったか?」と、口の端を引き上げてニイッと皮肉気に笑った。
そして男は長身を屈めると、大声で何かを怒鳴り返そうとしたインテグラの褐色をした耳元に自分の酷薄そうな唇を寄せる。


「こんな夜更けにここで大声を出すのは迷惑で、無粋というものだ。声を落とせ。静かにしゃべろ。住人にも管理人にも不審に思われてもいいのかね、坊や。」


夜更けなのに―――週末のせいなのか、確かにマンションの住人の往来があった。
その上、エントランスで揉めているこのふたりを・・・・・・管理人も、行きかう人も、不審げにそっと伺っているようだった。



それはそうだろう。
この男の抜きん出た体躯はまさしく威容で、端整過ぎる美貌は目を惹きつける異様でもある。
学生――であるのに、普段から家業の都合で深夜の出入りをするインテグラに、管理人が以前から注視の視線を注いでいるのも彼女は感じていた。そこに来て、このマンションの前で人の目を惹かずにはいられない美し過ぎる威容の男と、深夜に何やらもめているのだ。これでは注視してくれと言っているようなものだろう。

仄暗い役割を担う家の人間であるインテグラは、表の世界しか知らぬ者たちの目を引くのは、できれば避けたかった。仄暗い世界は確かに存在するが、それを声高に語ったり批判したりしてはいいものではないのだ。


この国の護国の役割を担って居るのに、その存在は「影」である家の後嗣でもあるインテグラは、周囲の反応を見てそう判断すると口をつぐんた。そして怒りに青の目の明度を上げて、ブルーダイヤの貴石の色で、自分の耳元に唇を寄せて脳を蕩かすようなベルヴェットボイスで話しかける男を睨んだ。

美しいブルーダイヤの硬質な輝きの中に不服そうな炎を立ち上らせて―――だが、仕方ない!という表情を作ったインテグラを見て、男は喉の奥でくくっと笑う。


その笑い声は、地を這うように低いのに甘く、そして妖しかった。

耳元でくくっと笑う男の声は、インテグラの身体の芯を凍った氷柱で撫で上げるように響き、その感覚に背筋をふるりと震わせた彼女は、そんな男の妖しい声に我知らず頬を染めて肌を粟立てたのだった。


「ここは私の住まいなんだ。余計な問題を起こすんじゃないぞ、いいか?!玄関までだぞ。そこまで送ったら後は回れ右でとっとと失せろ、この変態!」


怒れる青の瞳からサファイヤの破片を飛ばしそうなインテグラを間近で見つめた男は、口の両の端を引き上げてニィッと綺麗に笑う。


「ああ、了解した。お前の家まで――そう、お前の家の玄関に招いてもらえれば、そこで引き返すとしよう。それでいいかね、インテグラ。」


「本当に玄関先で引き返すんだろうな?」


「無論。お前が家に入るのを見届けたら引き返そう。約束してやる。」


男の秀麗過ぎて冷徹に見える顔に瞬く、赤にも見える明るいボルドーのような茶色の瞳は、色だけ見れば暖かそうなのに。なのにその輝きは、触れるものを一刀両断する鋭利な刃物のようで、やはりこの男は爬虫類のようだ・・・・・・とインテグラは考える。
人の道理が通じない暗い世界の条理(ことわり)に存在するヘルシングが狩る相手。その狩る相手が持つ魔眼を何故か睨み返すことが出来る彼女は、それ相応に狩る相手の意思と云うものを察することが出来きた。

だがしかし・・・・・・これほど意思疎通が難しそうな冷酷な目を持つ男を、インテグラは今まで見たことがない。



不都合には口を噤む。だが嘘はつかない。人と約束など滅多にする男ではないが、一度交わした約束は必ず守る――海千山千がたむろするあの店でそう謂われるこの男が約束するのなら・・・・・・信じることはやぶさかではない。

そう判断したインテグラは、ゆっくりと頷いた。


「じゃあ、私の家の玄関までだ。見送りはそこまでで終わりにしてもらうぞ。」


「お招きいただきありがとう、インテグラ。」


男は端整な面差しの柳眉に穏やかな円を描き、瞳をすうっと細くして微笑した。
それは女を誑かすのに最適な・・・・・・これ以上ない妖艶とも言える微笑。美しさだけではない、何か底知れぬものを滲ませた艶やかな微笑に、インテグラは少しばかり身震いをした。

嬉しそうなものを滲ませた冷酷なボルドー色した瞳を見て、自分は何か重大な過ちを犯したような気になり、インテグラはザワザワと小波を立てる胸の内を落ち着かせるように、自分のジャケットの胸の辺りを無意識にぎゅっと掴んだのだった。



「さて、行こう。お前の家へ。」


気取ったようにインテグラの耳元で呟いた白皙の男に、胸騒ぎを落ち着けるようにふんっと大きく鼻を鳴らした彼女は、カードキーと暗証番号を入口に通す。

そして開いた扉をくぐり不機嫌な足取りのまま男を従えて、何事もなかったような落ち着いた素振りでホールに居る数人の好奇心の視線を無視してエレベータへと乗りこむのだった。





その夜更け、インテグラが開けた玄関の中に一歩だけ踏み込んだ男は、その清潔な室内の様子を細めた赤の目で一瞥すると、インテグラの長い髪をひと房掬った。


「では、また明日逢おう、坊や。」


ひと房掬い取った冷たい黄金色した髪をくるくると2~3回指に巻きつけた男は、低いのに良く通る声で別れの挨拶をすると、その美しい絹糸のような髪に口づけを落とした。
そんな仕草に呆気に取られたインテグラが少女のような顔つきをしたのを見た男は、クツクツと喉の奥で笑う。そして洒脱に軽く会釈をして、同僚の家を辞したのだった。



約束通り玄関先で引き返した男の漆黒の帆のような大きな肩を睨みつけたインテグラは、その姿がエレベータに吸い込まれるのを見届けると、すぐに玄関の扉を締めて鍵を三重にかける。
リビングの明かりを灯し、気に入っている硬めのソファに腰を下ろしても、彼女の肌はまだ総毛立っていて、ドクンドクンと打つ大きな脈動に彼女は苦しげにシャツの胸元の辺りをクシュッと握り締めたのだった。




つづく

----------------------------------------------------

ここではまだヤラせません。ええ、そんなに簡単にお嬢に触れさせませんよ~
番犬に、「待て!」です(笑)



小説ページに戻る


PR
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[738] [737] [736] [735] [734] [733] [732] [731] [730] [729] [728]

Copyright c 到彼岸〔とうひがん〕・妄想MEMO。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By Mako's / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]