本日から出勤でした。とは言っても数日は午前中のだけの勤務。
まだ低音が聞き取れず、家人が「エド・はるみの本貸して」というので、「なに?エド・はるみの本なんぞ持ってないぞ」といった所、「エドモンド・ハミルトン(スペースオペラSFの大家)の本だよ」というオチでしたorz
最近妄想が爆裂状態です。
酒も止められ、食事の内容も制限され、動画も見れず、本を読むのも禁止(とは言え、本と動画はこっそり見てる)。その上一人で外出禁止で、家にはいつもお義母さまがいらっしゃる・・・
このストレスをどこに向けたらいいんだぁーー!!
というのが、ぜぇーーーーんぶ妄想に向かってます(笑)
しかし食事も制限があって酒も駄目で外出できない身分になると、改めて捕われの旦那の気持ちがちょっとばかり理解出来るのです(以前入院した時も思ったのですが、退院すると忘れるのです)
「こんな制限ありの生活だったら腐るだろ〜な、旦那。。。」という妄想が、バークレーホテルだったりしますが、その他にも盛りだくさんの妄想が湧き出ております。
忘れないうちにメモしなきゃと思う、三歩歩いたら忘れる鳥頭の管理人。
下は、そんな私が先週検査に言った時に浮かんだ妄想がネタの馬鹿話。
今は男性の看護士さんって多いのですね・・・その男性の看護士さんと会話しながら、変な方向に妄想を持っていってしまうのが、なんでも脳内エロ変換な管理人です(こんな患者は来ないで欲しいですよね、きっと・・・)
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白い部屋
この所、体調が芳しくない女指揮官は、屋敷に併設された医務室に来ていた。
過労と寝不足、それに貧血というのが検査の結果だったが、めまいが酷いため、女はここ数日、毎日医務室で点滴を受けていた。
時代の流れなのか、今医務室で外出している担当医の代わりに女指揮官を検査しているのは男性の看護士。
以前勤務していたのは女性の看護士だったのだが、彼女が結婚を理由にその職を辞したため、代わりに雇い入れたのは男の看護士だったのだ。
医務室は清潔な白で統一されていた。
白い部屋は無機質そのもの。
白いシーツが敷かれたベッドに、白い枕カバー。どれも糊が効いていて、冷たい質感。
窓には白いカーテン。
アイボリー色をした導電性重歩行用のリノリュームの床も磨き抜かれていて、部屋は、白一色といって言い静かな清廉なものだった。
そのベッドに腰掛けた女は、あまり看護士の男の顔を直視しないようにそっぽを向いて座っていた。
部隊を率いる豪胆で剛毅な女指揮官は、実はこの看護士の男が苦手だったのだ。
いや、正確に言えばこの男本人が苦手と言うわけではない。
この男から連想させられる、あの化け物の仕草が苦手だったのだ。
男はとても端整な顔つきをしていて、幾分とがった顎に薄い酷薄そうな唇を持っていた。瞳の色は常人が持つブラウンだったが、髪は癖を帯びた黒色。容姿もどことなく自分の従僕に似た美しいものだったのだが、何と言ってもその声質が、あの化け物が人を誑かそうとする時に使う艶やかな声音にとても似ていたのだ。
艶やかな濃紺の夜の色を帯びたベルヴェットボイスで囁かれると、女はついあの従僕を連想してしまうのだった。
男は細く長い節ばった指でアルコールに浸した脱脂綿を用意すると、ベッドに座る女指揮官の傍へとやって来る。
「採血しますね、局長。左の耳をこちらへ」
男は低いがよく通る声でそう呟くと、女は男に左側の顔を向ける。
「では、揉みますよ。」
――ちょっと・・・「揉みます」って何なんだ!!動詞だけでなく主語も言えよ!!
男はただ単に女の耳たぶを採血しやすいように揉むだけなのだったが、耳の側で「揉みます」と呟かれた女は何を連想したのか、すうっと顔を上気させ、ほんのりと顔を赤らめる。
看護士の男は顔を赤らめた女が緊張していると思い、さらに声音を優しくして語りかける。
「では、刺しますよ。ちょっと痛いけど我慢してください。」
――「痛いけど我慢して」ってぇー!!もぉ!我慢出来んのはお前のその声だ!!
と女は心で叫んだが大人しく俯いて従った。
ひんやりしたアルコールで消毒した後、ほんの少しちくっとしただけで採血はすぐに終わる。
採血が終わった女指揮官は我知らず「ほぉ」っと深いため息をつく。
その女のため息を聴いた、看護士の男は、口元に微笑を作って美しい月の女神のような女指揮官を眺める。
「豪胆で剛毅。尚且つ果敢で勇猛」と噂される有能な女指揮官は、部隊で恐れられるよう精錬な戦士とは違う一面を自分だけに見せてくれているのだ。
まだ歳若いこの女は、指揮官の仮面を剥ぎ、歳相応な振る舞いをすると、とても魅力的な女性へ変身するのだと、看護士の男は意外な一面を垣間見て得をした気分になる。
その赤らんだ顔でそっぽを向いて、心もとなげに白い部屋に座っている女の脇へと、看護士の男は次の処置のための器具を運ぶ。
メタリックな冷たい輝きを放つワゴンに乗せて運ばれてきたのは、太い注射器と針、そしてゴムのチューブ。
点滴を終えたばかりの上官には、辛いのかもしれないな――と思いつつ、看護士の男はその栄養剤の入った注射の準備に取り掛かる。
「ヘルシング局長、左腕を出してください。」
男に言われるまま、女指揮官は左腕をそっぽをむいたまま差し出しす。
蜂蜜色の艶やかな肌を晒したその腕を軽く握った男は、その内側にアルコールを含ませた脱脂綿を押し付け、肌を何度も滑らせる。
そのあまりにも冷たい感覚は、下僕の男が自分の肌に唇を触れさせ、舌を這わせて愛撫する様にとても似通っていて、その愛撫を思い出した女は、今度は明らかに肌を紅潮させる。
肌を赤く染めて俯く女を見た看護士は、「この方は余程、針を刺されるのがお嫌いなのだな」と思ったのだが、女の紅潮は全く違う淫らな連想から来るものだった。
「では、縛りますよ。」
女の腕にゴムチューブを宛がった男は、そう言って赤い顔で俯く女の腕を器用にゴムチューブで縛り上げる。
――だからその声で「縛る」って言うな!この馬鹿ッ!!
女は、またしても何かを思い出したらしく、内心、看護士の男に罵声を浴びせたが、それはあくまでも心の中だけ。
局長は、いかなる時も局員の前では毅然とした振る舞いをしなければならないのだ。
しかし無機質で真っ白な清潔な部屋の中で、女は自分の鼓動が音を立てて脈打ち始めるを感じ取る。
――この白い静謐な医務室で、いったい私は何を考えてるんだ!!
耳の奥で煩く響く虫の羽音のような自分の心音を耳にした女は、下僕の男から与えられた淫らな夜の時間を思い出してしまう自分を叱咤する。
看護士は女の思惑など知らぬまま、上官の腕から血管を探すとその上に針を刺した太い注射器を宛がった。
「さっきも挿れたばかりで辛いでしょう。でも、また挿れますよ。我慢してくださいね。」
男は女の耳元でさらに優しげな声音で呟き、細心の注意を払って女のその血管に太い注射針を突き挿す。
――さっきも、「挿れたばかり」って・・・もうっ!!「また挿れます」って何んなんだよ!そんなこと、言わなくてもいいのにッ、この能無し男がッ!!
女は昨晩、従僕の男が耳元で吐いた淫猥な台詞を思い出してしまい、顔をさらに紅潮させて内心絶叫をかましたが、腕につき立てられたその痛みに身体を一瞬ピクンと硬直させると、出来るだけそっぽをむいて、看護士を無視しようと無駄な試みをするのだった。
治療と採血を終えた女はほとほと疲れたといった顔と足取りで医務室を後にする。
――だれがあの傲岸不遜で不埒な下僕に似た看護士を雇ったんだッ!!
採用したいと書類を持って来た執事が手にしていた履歴書にあった写真に、よく目を通さずにサインをした自分を激しく後悔するインテグラ。
これからずっと検査のたび、治療のたびに、あの静謐な白い部屋で件(くだん)の看護士を相手にするかと思うと、それだけで疲れがどっと増す高潔な女指揮官だったのだ。
後日部隊では、医務室で治療を受けている間の女局長は、いたく美しく艶やかだそうな―――という噂が立ち、自分達の女上司が治療と検査をしている時間を狙って、医務室を訪なう輩(やから)が急増する。
しかし、当の女局長の身には、そんなことよりも、もっとやっかいな馬鹿馬鹿しい事案が降って湧いたように起こるのだ。
女の意思を無視してその手に強引に抱いているにも関わらず、『主の女には、自分だけが触れることを許されている』と思っている吸血鬼の男には、全く違う噂が別ルートから耳に入るのである。
化け物殲滅の特殊部隊を率いる剛毅で美しい女指揮官は、実は医務室の若い秀麗な看護士を愛人にして、毎日のようにそこに通い詰めているらしい―――
そんな根も葉もない噂を聞きつけた、多大な所有欲と高い矜持を持つ腹黒で暴力的な化け物の男を相手に、凛々しい女指揮官は、後にマシンガンをぶっ放し、剣を持って大立回りを演じることとなるのであった。
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