本日は8月2日。
そう、あの『パンツの日』であります。
っうことで、今年もレッツ・チャレンジ、パンツ妄想!!
以下、「続きはコチラ」に妄想を格納。
バカバカしいものでもOKと言う方のみ、ご覧くださいm(__)m
小説ページに戻る
剛毅で豪胆で勇猛果敢
「イヤイヤイヤイヤ、それはオカシイってさぁ~!!よく考えてみろよ、今日は女が男にパンツを渡すってイベントなんだろ?」
「だからいいんですよぅ~だって、これほど男前がどこにいるってんですかぁ?ロンドン中探してもこれほどの男前、漢(おとこ)の中の漢って言えるのはマスターくらいなもんですよ?違いますか?!」
これから今日のイベント用の下着を買いに行くんです。ベルナドットさんも一緒に行きますよね~とデートに誘った可愛い女吸血鬼が向かう先がロンドンの高級ランジェリー店と知って、その日ベルナドットはさらに複雑な気分になったのだった。
その日の午後、セラスが「買い物に行きましょう~」と突然言うので、元傭兵隊長だった男は、こいつ急に何が欲しくなったんだ?と不思議に思ったところ、それが本日のイベント用の下着だと聞いて、このフランス男は口をへの字に引き結んだ。
いや・・・・・・確かに『付き合い』っうもんが世にあるのは分かってる。
しかし、一心同体と言うしかない間柄の相方が、一体どこのどいつに下着を贈るんだ、おいっ?!と、ベルナドットは複雑な気分だった。
いつも色々と取り計らってくれる、海軍のあいつか?!それとも地元警察のあの若造か?!
やはり釈然としない元傭兵隊長が「・・・・・・誰に贈るってんだよ?」と訊くと、セラスはあっけらかんと「何言ってるんですか?マスターに決まってるでしょ!!」と答えたのだった。
「あのさぁ・・・・・・アーカードの旦那って、パンツは自分で生成してんじゃねぇの?っうか、旦那はノーパ・・・・・・ゲフン、ゲフン、下着なんて付けてる訳?」
ベルナドットがそう尋ねると、セラスは「何言ってるんですかぁ?マスターですよ、マスター!!インテグラさまに決まってます!」と、胸を張ってそう答えたのだった。
いや・・・・・・それ、「パンツの日」のイベントの趣旨を間違えてるだろう?――そう思ったベルナドットが異議を唱えたのが先ほどの会話だったのだが・・・・・・
だが、確かにこのロンドンで、あのヘルシング機関の総帥以上に男らしい『男』を探すのは難しい。それは明らかなる事実。ロンドンの真実だった。
剛毅・豪胆・勇猛果敢。先の飛行船事件の影の立役者。碧眼の女戦士、英国の守護者。
そんなヘルシング局長の対抗馬を探すのは、『難しい』と言うレベルを通り越した難易度の高さで、普通の男では太刀打ちできないレベルだった。
納得しがたいような・・・・・・でも、納得せざるを得ないような・・・・・・
そんな感じでウンウン腕組みして唸っている相方をつれて、セラスは意気揚々と高級ランジェリーショップへと足を運ぶ。
「いや~そのなぁ~~オレさぁ、女の下着姿は好きだけど、その・・・・・・女もんばっかの下着屋に行くっうのはどうも苦手――」
そんなことを言いかけた意外と純情な面を残している相方を無視して、セラスは張り切って美しい装飾の店のガラス戸をあける。
自分だけヘルシング邸でお留守番をするわけにもいかない、女吸血鬼と一心同体の男は離れることも叶わず、相方にずるずると引きずられて行くしかないのだった。
「やっぱり、あれですよね~セクシーなやつがいいですよね!スキャンティというよりも、透け感を愉しむ大胆で官能的な大人の女にしか似合わないやつなんかいいですよねぇ~!!」
そんなことをのたまうセラスの中で、「――剛毅で豪胆で勇猛果敢な男前の女に、女が官能的な下着を贈るのかよ・・・・・・このロンドンはどーーなってるんだよ、おいっ!?」と、ひとりで突っ込みを入れるベルナドットだった。
「――この下着の山は何なのだ、我が主?今日は女が男に下着を贈る日ではなかったのか?」
どうやら外出した時に、何人かの男たちに下着を贈ったらしい女主人の様子に、だったら真摯な忠義で仕えるこの忠実な下僕にも絶対にそれはあるだろう――と、疑うことすらしない多大な自信と確信で満たされた吸血鬼が訪れた先の女主人の部屋には・・・・・・その部屋のテーブルには、女物のパンティやスキャンティ、あるいはそれに合わせたブラジャーが山のように積まれていて、その下着を見たアーカードは秀麗な顔の眉根を寄せたのだった。
もしかしたら――これは自分が贈らねばならぬ立場だったのだろうか?
吸血鬼はそう考えたのだが、奴隷に等しい身分で女主人に囲われているこの男は、当然、そんな甲斐性があるはずもなく・・・・・・だが、かと言って他の男に出し抜かれるのは耐え難い屈辱だった。
何やら解せぬ顔つきでソファの正面に立つ男に、包装紙から下着を次々に取り出しながらインテグラは顔も上げずに口を開いた。
「いや、その通りだよ、従僕。今日は女性が男性にパンツを贈る日で間違いない。」
今手にしたやつは、ちょっと気に入ったらしく、彼女はのスキャンティのサイドの繊細な紐の部分を両手の指先で抓むように広げて、デザインを確認する。
「う~ん・・・・・・タンガタイプはタイトなパンツスタイルにはいいんだが~~あまりレースが繊細なのもなぁ~この手のタイプはちょっと肌に痛痒いんだよなぁ~」
そう呟いた彼女は、それをひょいとテーブルに戻すと次の袋に手をかけた。
「―――では何故、『女』であるお前の元に、こんなに下着が集まるのだ?お前は趣旨がえして同性愛者にでもなったのか、インテグラ?」
その問いにようやっとインテグラは顔を上げ、自分の従僕を見上げた。
眉目秀麗な白皙を見つめるインテグラの青の隻眼が、すうっと鋭利に細められる。
「別に趣旨替えなんぞ、しとらんぞ。私は最近、若くて活きの良い気概がある男が好みだ。別に女相手にあんなことやこんなことをしたいとは思っとらん。それに・・・・・・何故、こんなに私のところに来るのか、私自身にも謎なのだ。・・・・・・まぁ、その点については深く考えないようにしているがな。」
それ以上突っ込むなよ、我が従僕!!インテグラの青の瞳にはそんな彼女の思いが雄弁に浮かんでいて、さすがの不死者の王も空気を読まずにそれ以上突っ込む愚は犯さなかった。
そしてこの吸血鬼も判っているのだ。
己の主人がどれだけ剛毅で豪胆で勇猛果敢であるのかを。俗に「男前」と呼ばれる資質をどれだけ備えている、稀有な女であるのかを・・・・・・
「で、我が主どの。私への贈り物はないのかね?」
そこで一旦話を終わらせたアーカードは、テーブルを挟んだ女主人の正面のスツールに腰を優雅に下すと、再びプレゼントの包みに手を伸ばした女主人に話しかけた。
「お前にか?いるのか、お前?!だってパンツだぞ??お前はそんなの穿かないだろうが。」
「身に着ける、着けないにかかわらず、そう言うものは儀礼として、主人は配下の者に下賜せねばならぬものだぞ、我が主。」
そう言った吸血鬼の王様の言葉は何の感情も読ませぬ無機質なものだったが、その声音は冷え冷えとした鋭い氷の欠片のようにインテグラの耳に届いた。
――なんだこいつ。怒ってると言うか、拗ねてるんだな。そっか・・・・・・矜持も高いし自尊心も並はずれてるからなぁ~自分が貰えないのは癪に障るのか。う~~ん、仕方がないなぁ
長い付き合いの女主人は、顔を上げるとアーカードの表情を読ませぬ端正な顔を見つめた。
意外とこの男は面倒くさいのだ。
無茶苦茶なことを無茶と思わずやってのける破天荒な戦狂いの魔物なのに、実はその大きな図体に似合わぬ細やかな面があって、それを変に刺激したら最後、この男は文字通り狂ったような振る舞いをするのだ。
ここで暴れられたらたまらん――そう考えた彼女は、おもむろに口を開いた。
「そうか。お前には必要がないものだと思って用意してなかったが、その代わりにお前に私の下着を選ぶ選択権を与えよう。この中から私に似合いそうなものを、お前の審美眼で選ぶ栄誉を下賜してやる。どうだね、それでいいかねアーカード。」
そう言った彼女は、剛毅なのに美しい成熟した微笑を見せたのだった。
もちろん、そんな光栄な役目をこの吸血鬼が断る訳もなく――選んだ上に、それを身に着けさせる栄誉まで賜った吸血鬼は、自分の配下(しもべ)の女吸血鬼のセンスの良さにもにんまりとする二重の悦びを、その夜得るのだった。
おわり
--------------------------------------------------
2011年8月2日のパンツの日企画。
今年もやってしまいました、パンツの日。
もう、自分のバースディの前日っう下降テンションをブッ飛ばす、「パンツの日」。このイベントは色々と妄想が滾る気がいたします(笑)
もちろん身に着けさせたら、脱がせてあげるところまでちゃんとこなすのが従僕の務め。
嬉々として穿かせ、さらに嬉々として脱がせたであろう、旦那独り勝ちの珍しい妄想でありました。
PR