到彼岸〔とうひがん〕・妄想MEMO 局長オペレッタに行く
【個人的妄想のメモと気が向いたときの近状記録】 ここはヘルシング同人サイトの2次創作専用のブログです。 妄想の糧やオタの日常を呟いています。 心当たりがないのに、何故か迷い込んでしまった方は、速やかにお帰りくださいませ。
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衣装あわせ


それはオイスターホワイトと言われる、若干アイボリーを含んだ柔らかな白色のスーツ。
主の女のために作られたYSLのオートクチュールのスーツは、体にぴったりと吸い付くようなものだった。

明日行く予定となっている観劇のために着ていくそのスーツは、今、主の私室でメイドの手によって当主の女に着せられていた。
服の出来上がりと、靴やアクセサリーをコーディネートした最後の点検のためだったのだが、主の女は憮然とした表情のままだった。

この女は、普通の女が快楽と感じる装飾品で身を飾ることを疎ましく思っている。
疎ましいというか、正直言って面倒くさいし、嫌いなのだ。

――こんな動き難い服を我慢して着込んで、男に鑑賞させるために着飾るような行為に何の意味があるというのだッ!!!

憮然としたままの主の姿に、アクセサリーを合わせていく優雅な佇まいの年老いたメイド。

やはりブルーダイヤがいいだろうと8カラットのハートシェイプカットのネックレスを手に取ったところ、当主の女は無言で首を振って、嫌だという態度を示す。
たぶん昼の観劇なので、派手なものは控えたいと思っているのだろうと思ったメイド頭は、ではと、もう少し小ぶりなの4カラットマーキーズシェイプのネックレスを手に取る。
今度は女当主は、首は振らず憮然とした顔つきのまま、睨んでいるだけなので、『まずは、これで良さそうね』と判断したメイド。
そして、人差し指の爪くらいの大きさをした4カラットのブルーダイヤのネックレスを主につける。
それに続き、それとお揃いの長めのチェーンに揺れるイヤリングを主につけて点検する。

『うちのお嬢さまって、やっぱり美しいわッ!!』と満面の笑みで眺めるメイド頭の老女。

まず、アクセサリーまでは済んだが、あとは靴。
部屋には所狭しと、色んな靴が並べられていたが、持ち主の女から見ればどれもこれも同じに見えて、全て履き難そうで、尚且つ食い込んで痛そうとしか思えない代物だった。

「早くしろ。もういい加減、飽きてきたぞッ!」
当主はいらいらとしてそう言ったが、メイドは容赦なかった。
軍部トップクラスの男との観劇なのだ。いくら根回しと顔つなぎの職務の一端、単なる付き合いとは言え、「無様な恰好をこの美しい当主にさせる訳には行かないのだ!!」と、そう思ったメイドは、美しい足首を持つ主に合わせ、手早く靴を選び出す。
この甲高の足を持つ主には、薄っぺらい足に映えるデザインのマノロ・ブラニクよりは、断然ジミー・チューの靴が似合うと確信しているメイド頭。
迷わず選び出したチューのバックバンドのクロコダイルの革をブルーに染め上げて作った、サイドオープンの10センチヒール。
それを見た主は、「サイドオープンは歩きにくいから、嫌だ。」といって、眉間にシワを寄せる。

では、オープントゥのストラップ付きがいいだろうと思ったメイドは、次にブルーのサテンで出来たストラップ付きのプリーツがついたこれも10センチヒールを取り出す。

今度は文句も言わず、またも主の女はそれを宿敵の化け物のように睨むだけだったので、『睨むだけってことは、OKということね』と悟っている彼女は、主の足にそれを履かせる。

それは、主の引き締まった足首と、優雅な曲線のふくらはぎを引き立てる絶妙な靴だった。
しかし、残念ながらロングスカートだったのであまりその美しさは晒されていない。

服と宝飾と靴。全てがバランス良くあっており、自慢の主を引き立てている。
それを確認したメイドは、さらにコートを選ぼうとする。

「おい、もういい加減に開放しろ。コートなんて何でもいいだろ。いつものやつで十分だッ!!」
主の女がそう憤っていると、メイドはその上に膝丈の毛皮のコートを重ねる。
それはGIANFRANCO FERREで作らせたロシアンリンクスのベリー部分だけを使った極上の毛足を持つコートだったが、この女には毛皮の手触りですらも官能を与えられないようだった。

肩に掛けられた毛皮はこの女の豪華さを引き立てていて、それを見たメイド頭は自分の主の美しさに惚れ惚れしていたのだったが、それでも全く無関心な当主の女は無下に冷たく言い放つ。

「こんなコートは嫌だ、絶対に着ない。動物愛護団体から卵を投げつけられるぞッ!!」

それを聴いたメイドは「そんなご時世でございますからねぇ〜」と苦い顔をして、頷く。
では、替わりにものをと、メイドがクローゼットへと振り向いた瞬間だった。

低い男の声で、この女の戦場と言った部屋の様子を揶揄する声が聞こえたのだった。
「何なんだ、これは??いったい何のための着せ替え人形ごっこだ?」

その振り向いたクローゼットの前に、緋色のコートに昼色のサングラスを身につけた漆黒の髪を持つ巨躯の男が立っていた。

メイドはびっくりして固まり、息を呑む。
そして、主の女はその声に、珍しくぱぁっと花が咲いたような笑顔を浮べる。

しかし、メイドの女は驚きに硬直して呼吸も忘れて立ち尽くしていたので、『これでは、老齢のメイドが死んでしまうッ!』気が付いた女は、メイド頭を抱きかかえ、背中をさする。
「馬鹿か、お前はッ!!こんなに使用人を驚かせてどうする!!」従僕を罵倒しつつも、メイド頭を促して退室させようとする女主。その主の顔には、面倒くさい大嫌いな着せ替えごっこから開放される喜びが溢れていた。

やっと我に返った老女は、酷く緊張しながら目を合わせないように、吸血鬼に礼を取り、主の指示のままに部屋を退出する。
しかし、年老いてもこの屋敷のメイド頭。
退室する前に、「お嬢さま、お洋服は脱いだらシワにならないよう、ハンガーにかけて下さいませ。そして絶対に汚すことなどございませんように。それは、オートクチュールでございますよ。」と服飾ではズボラな主に、釘をさすのを忘れなかったのはさすがだった。


メイド頭を追い出すことに成功した女指揮官は、珍しい満面の笑みで従僕を迎える。
余程、この着せ替えが苦痛だったらしい。
「絶妙のタイミングで現れてくれたのには礼を言うぞ、従僕。お前はこう言う時だけは使えるな。で、何か用なのか?」
女は普段にはない、にこやかな顔でそう従僕に尋ねる。

普段から服飾に全く興味の無い女なのだが、この衣装合わせは余程苦痛だったらしいな・・・と悟った男は、こう言う時だけ妙ににこやかに自分を迎える主の現金さに些か不満げな顔を作る。
この女は普段は、絶対に自分のことなど歓迎などしないのだ。「上手く利用されたな・・・」と男は思う。
自分が普段歓迎されないのは、単に歓迎されない悪しき行いばかりをするからだとは気付いていない男は、それでも今日はにこやかな顔つきの主をしげしげと眺める。

それは白のひとつボタンのジャケットに白のロングスカートと言ったいでたちのアマゾォヌ。
ジャケット丈は短めで、その細いウエストと痩身の割には豊かに前に張り出したバストを強調するもので、襟も広く開いており、艶やかな蜂蜜色のデコルテがとても美しかった。
襟元から覗く胸元は、二つの谷間がくっきりと作られていて、この女が美しい肢体を持っていることを暗示していた。

そして形良く張り出したヒップを強調するマーメードのラインを持つスカートはとても長く、一見歩きにくそうだったのだが、良く見ると前に深いスリットがついており、そこから女主の美しい足が覗いている。

それは品があるのに煽情的という二面性をあわせ持ったスタイルに女を仕立てていて、羽織る毛皮のコートはその女の豊かな感性に満ちた肢体を姿態に仕上げるエッセンスの役割を果たしていた。

その美しい主が、めずらしくにこやかな顔を作っているのである。
例え別用だったのだとしても、この男の用事は「それ」ひとつしかなくなるだろう。

主を上から下まで眺め回していた従僕の男は、
「主殿、いったいそんなものを着て、何処へ行こうというのか?」、冷たさを含んだ声で訊く。
どう考えても、この主の姿を大勢の人間の目にさらすのは癪に障ることだったのだ。

「ああ、これか?」
主の女はそう言うと、毛皮のコートを肩からするりと落とし、自分の姿を見下ろす。
「これは明日の観劇のためのものだ。明日は昼、オペレッタを観る。昼の観劇だし、格もオペレッタなのでこれで済んだが、夜のオペラだったらソワレの装いをさせられるところだったぞ。」

女はそう言ってため息を落とし、葉巻をとろうとデスクに歩み寄る。
女が歩くたびに、そのスリットから煽情的な太腿と膝頭、そして引き締まった美しいふくらはぎが覗き、大層福眼といった眺めになるのであったが、これが昼に、それも劇場で多数の人間に晒されるかと思うと、支配欲が強い従僕は憮然とする。

「誰と行くのだ?」
そう訊いた男の表情から皮肉な笑みが消えていたが、女は男の憮然とした気配に気付くはずも無い。
もともとその方面では恐ろしく鈍感なのだ。

「オペレッタへか?軍上層部の男とだ。普段の根回しにも使えるし、武器の調達にも役立つ男だから、顔を繋げておく事が必要な男だ。オペレッタに誘うなど考えられんような厳しい(いかめしい)硬い男なのだがな。まあ、自尊心の高い男だから断って面目を潰すのも不味いだろうということで、明日行くことになった。ついでに武器の情報も手に入れてくる。」

女は、明日の軍務に特化した男との交渉に思いを馳せながら、葉巻を手にし火をつけた。
独占欲が強い化け物のことなど、もうまるで頭の中にはないという様子だ。

「そのスーツでは、行くことなど許さん。」男が何時の間にか後にいて、自分をはがい締めにした時には、もう遅かったのだ。
女の手から葉巻を奪った男は、女を完全に後から拘束する。

「許さんって、お前・・・従僕が主に向かって、何を言ってるんだ!馬鹿かお前は。それに、これは何だ放せッ!!」
普段とは違う服を着てすこぶる動き難い上に、男の怪力に、はがい締めにされているのだ。全く動きようも無い指揮官の女。

「男を覚えた途端、そんな煽情的な服を着て男漁りとは呆れた女だ、お嬢さん。」
そう言った男はデスクに腰をかけ、体に腕を回して拘束した主を自分の方に向ける。
体を回された10センチのピンヒールを履いた女は、まともに立っていられずに、従僕の腕(かいな)に倒れ込む。
そしてその長い腕でに、ぎゅうっと絞めつけられたのだったが、怒った主はそれでも抗議の声をあげる。

「男漁りとは何だッ!!これも任務だ!お前がいつも甚大な破壊活動をしなければ、根回しも半分で済むんだ馬鹿者ッ!!」

――それに、男を覚えた途端って何なんだッ!!自分が勝手に覚えさせたくせにーーーッ

腹が立った女は、顔を上気させて男の足を蹴ろうと試みるが、その途端、男がグローブを外していた手をスリットへ忍ばせる。
その冷たい衝撃に肌を粟立たせた女は、ひゅっと息を飲んだが、男はお構いなしにその艶やかな脚を撫で上げた。

「こんなに深いスリットが前にあるスカートなんぞ、ここから手を入れてくれと言っているようなものだぞ。そして、胸元から谷間が覗くような襟元では、覗き込んで触れてくれと誘っているようなものだ。そんなに男を誘ってどうするんだ?私では満足できないという、あてつけか?」
男は、冗談とも本気ともつかない声でそう言って、さらにスリットの奥へと手を進め、もう片方の拘束している方の手では指先を使って胸の谷間をなぞり出す。

男のコートを着た手の進入を許したスカートは引き攣れてシワを作りつつあった。
それを見た女はさすがにメイドの憤慨した様子と、明日また衣装合わせの地獄があるかもしれないと思い、『やばいッ』と舌打ちをする。

本来、服のシワの心配をしている状況ではないのだが、これにシワを作ったり、スリットをほつれされたり、最悪服を汚したりして、明日また一から着せ替えごっこさせられるかと思うと、憂鬱なガックリとした気分になってくる。
『さすがに、この暴挙は止めなければーっ!』と思った女は、必死に従僕を説得しにかかる。

「いいか、アーカードよく聴けよ!このスーツにシワや汚れをつけてはいかんッ!!私はもう衣装合わせはこりごりなんだーーーッ!!だから明日の観劇はこの姿で行く。お前が何と言おうとも、この姿で行くッ!!絶対にこの服で行くんだ!分かったか、従僕?!それから、私の身の心配ならいらん。護衛をつけるから安心しろ。まずは、シワがついたりほつれたりする前に手を放すんだ、アーカードッ!」

鬼に鬼のような剣幕でまくし立てる主の女に、いささか気圧された従僕の男。
しかし、この男は性悪なのである。
内心、ニヤリと笑った従僕は、優しげな声で主の耳元で呟く。

「では主殿、このスリットから手を退ける代償として、明日私を護衛につけろ。もちろん、お前の影に潜むさ。それなら、かまわんだろう?」

「何で、主の私がそんなことでお前に代償を払わなくてはならんのだッ!そもそも、おまっ!やめっー!!!!」
さらにスリットが裂けるのではないかと思うほど手を入れてきた従僕に主の女は、声を荒げてる。

「わかった、認めようッ!!しかし、私が呼ばなければ絶対にこちら側に姿を見せるなッ!!・・・ッ!だから放せ、この馬鹿者ッ!!」
スリットが裂けるのではないかと思った女はハラハラしながら、従僕の手管に翻弄される。
そして結局は、護衛OKの許可を出してしまったのだ。

手をさわさわと後退させた男は、それでもやはり腹黒い。
この男は悪魔なのだ。
スーツに気をとられてアワアワしている主を見逃す筈も無い。

そして、妙に艶やかな美しい笑いを作った下僕の男は、その顔とは裏腹な下劣な要求を、内心ニヤニヤ笑いながら低く告げるのだった。
「では、今晩の遊戯はベッドではなく、パウダールームを所望したい、我が主。それも、我が主が自ら服を脱いでいただけると大変嬉しいのだがね。」

その意図に気付いた女は顔を紅潮させて、下劣な下僕に食って掛かる。
「馬鹿か、この淫乱吸血鬼ッ!!あんな鏡張りの化粧室で何をするつもりだ、この変態ッ!!あの部屋の鍵は絶対に開けないし、お前にも渡さんッ!!一体何を考えて、パウダールームなんぞにぃぃぃーーーッ!!」
下僕に悪態をついていた主の女は、その光景を見て、『ひぃーーッ!』と内心悲鳴を上げる。

「おっと、我が主の葉巻の灰が落ちそうだ。」

なんと、下劣な男は灰皿に置いていた主の葉巻を持ち上げて、ニィーと人の悪い笑みを作ったのだ。

これは完全に焦げるッ!!焦げるというか、オートクチュールに穴があくだろうッ!!!
そう思った女は、一度も着る機会が無く葉巻の灰で焦げつかせたオートクチュールを見て絶望したのちに、怒り狂うメイドとその後の自分の惨状を想像し、項垂れて呟く。

「・・・鍵はその二番目の引出しの奥だ、この豚野郎ッ!!」
女は、淑女らしからぬ罵声を浴びせ、プイッと横を向く。
それから、「絶対に、自分では脱がんぞッ!!誰が、お前のために脱ぐか、この馬鹿野郎ッ!!」と
真っ赤になって宣言したのであった。

愉しくってたまらない悪魔は、「承知しよう、お嬢さん。ただし、後で『自分で脱ぐ』と言っても、私はその権利を譲らんから、後悔するなよ。まあ、スーツは汚さないから安心しろ。」と不穏な発言をして、葉巻を灰皿に戻してからクツクツと声を出して笑い出す。

本当は、内心哄笑を上げたいほど愉快だったのだが、そんな素振は見せない性悪で典雅な吸血鬼は、とても優雅に主を軽々と抱え上げ、そのままの体勢でデスクからパウダールームの鍵を取り出すと、今宵は主で存分に愉しむべくその鏡張りの化粧室へと歩き出す。

「まさか、パウダールームに鍵をつけるとは思わなかったぞ、我が主。それも私が壊さないように封印までかけるとは、念が入っている。余程あの日、我を失うほどに快楽を貪ったのが悔しかったのだな。」
そう言って妖艶に笑いつつ、自分を抱きかかえて歩く従僕を睨みながら、『こんな拘束着のような身動きできないスーツのせいで、何と言うザマだっ!!』と女は、歯がゆい思いをするのだった。

そして、「・・・やっぱり、自分で脱ぐから手を放せッ!!」と叫んでも開放しない従僕に、『絶対に、自分では脱がんぞ』と言った事を後悔することになる女指揮官なのであった。



――――――――――――

なんとう言う局長が不憫な妄想でしょう・・・(笑)単なるお馬鹿な話です。
「前にスリットが入ったスカートなんぞ・・・」と暴言を吐いたBOSSの名台詞(?)から、生まれた妄想。これは、前スリットの白スーツで式典に出ようとしたワタクシを見たBOSSが吐いた暴言から生まれたアーグラ妄想ですorz
オートクチュールは恐らくユーロ換算で最低600万円以上くらいからでしょうか?さすがに焦げをつけて穴を開けたら怒られるかも?という予測の元に綴っております。

そう、そして旦那はいつでも悪魔なのです!!


そして・・・最近恐ろしいことが。
バッハのカンタータから取ったパラレルタイトル。これには明確なイメージがあって、演奏は数あるCDの中でも、ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団のある指揮者のかなり早いテンポのものを思い出しながら、綴っておりました。
で・・・最近、やたらとそのCDをBOSSが朝流します。たぶん、バッハのCD枚数の確立から言うと、1/70ぐらいなのですが、見事のその確立を当ててくれております・・・もしかして、脳内妄想が漏れ出して流れ込んでる??と思う恐怖体験(?)でした。


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