到彼岸〔とうひがん〕・妄想MEMO 黒の聖母
【個人的妄想のメモと気が向いたときの近状記録】 ここはヘルシング同人サイトの2次創作専用のブログです。 妄想の糧やオタの日常を呟いています。 心当たりがないのに、何故か迷い込んでしまった方は、速やかにお帰りくださいませ。
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遠距離にひとりで向かう場合、当然、車の運転は無理な身体(頭?)なので、田舎で物凄い不便なのにも関わらず、最近は仕事でよくJR+バスを利用します。

電車は日中は大体、2時間に1本。バスは1時間に1本。ちょっとタイミングが悪いと、乗り換えするのに1時間待ちというのが普通です(苦笑)


昨日も、仕事でJRとバスを乗り継いだのですが、帰りに丁度良い乗り継ぎが無く、1時間待つ羽目に・・・
『焦ってもしょうがないよな~~』ってことで、余った時間で、数年ぶりにその地にあるカトリック教会を訪れました。

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ここにいらっしゃるのが、日本に唯一の「黒い聖母像」。黒のマリアさま。

これがどれだけ貴重かなんて、何回も見ていたにも関わらず、京極せんせの「絡新婦の理」を読むまで全く知りませんでした。


普段も使われている場所なので、ミサをやってないか、信者の方の邪魔にならないか、確認して中へ。
居たのは観光客のマダム、ひとりだけ。
ワタクシも席に座り、しばらくぼぉーーっとマリア像を眺め、昨日は待ち時間を潰しました。



明治36年、フランス・ノルマンディのデリヴランド修道院からやって来た黒い聖母。
黒いマリア像自体、世界ではそんなに数が多くないようですが、日本にはこれ一体だけ。

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このマリア像。
優美とか可憐とか、そんな風情とはちょっと違います。
どちらかと言えば、「観音」や「菩薩」に通じる、そんな感じ。
このマリア様のお顔を拝見すると、いつも室生寺の十一面観音立像を思い出します。
どちらかと言えば、厳しいとか、堅いとか、そんな意思を持つ、父であるのに母でもある、両性を具有した「強いもの」。そんな風情があるような・・・と見るたびに思うのです。

しかし、この教会。平日の日中は賑やかな事、この上ないのです。
なんたって、場所が「幼稚園」の敷地の真ん中。始終、子供らの歌ったり、遊んだり、喧嘩したり、泣いたり、笑い転げたり・・・と、そんな声が聞こえるのです。
荘厳な場所よりは、確かにこんな環境の方が「聖母」には合っているのかもしれません(笑)


入口には「どなたにも門戸を開いております。」みたいなことが書いてありますが、ご時勢がご時勢なので、一応、敷地に入る前に園長先生に断ってから入りました。(幼児を狙った不審者だと思われたら嫌だし・・・)




ちなみに、この聖母がいらっしゃる教会の窓は、色ガラスのステンドグラスではなく、「貼り絵」と話ばれるプリンティッド・フィルム・ステンドグラス。
ここのものは、薄い透明な紙に描かれた聖画を「外側」から貼って、さらにその「外側」にガラスをかぶせた珍しいもの。おそらくここにしかないはず
(「内側」に貼るとか、描くというのが、日本では割と多いのですが、「外側」施工は滅多に聴かないです。むしろ「黒の聖母」よりこっちの方が珍しかったです、当初は。)



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以下、とっても短い妄想を「続きはコチラ」に格納しました~












黒の聖母




「何、ジロジロ見てるのよ、吸血鬼」

自分が止むを得ず解放してしまったこの吸血鬼は、少女が短い人生の中で知った「魔眼」というものを遥かに超える、特段に力を有する魔がしい瞳を持っていた。
この男の瞳は、常に赤いのだ。紅とも赫とも云えるだろう。

温かみなど欠片もない、凍りつくような赤の視線で、吸血鬼らしい眉目秀麗な顔で自分を見ている吸血鬼に、インテグラは食って掛かった。
だが、吸血鬼は己を怖れもせず、文句を言いながら睨む、豪胆らしい少女の海の青の瞳を見て、口の端をわずかばかり上げると、くくっと声を漏らして笑ったようだった。
何か分からぬが、皮肉っぽいのに不敵な笑いを見て、インテグラは口をへの字にする。自分はこの男から主人とは思われていないらしい。


食事を終えたばかりだと言うのに、この吸血鬼は、まだ腹が満たされないのだろうか?
自分の主を獲って喰いたいとでも思っているのだろうか?
そんなことを考えて、インテグラは歳に見合わぬ眉間のシワを刻む。

そんな歳若い主人を見て、今度は明らかに口の両端を引き上げて、微笑を刻んだ男。それを見て、インテグラは更に不機嫌な顔をした。

この男は毒を持つ。それは猛毒といっていいものだ。
冷た過ぎる赤の目の瞳孔は、猛毒を持つ爬虫類のそれで、何を怖れることもない、高慢極まりないそれは、冷たい身体をソファにくねらせて暫し休息をとる、危険な存在。

この男は、少しでも油断したら・・・あるいは、主人に相応しくない態度を取れば、猛然と牙をむいて、その毒を自分に向けて吐き出すのだろう。
・・・・・・いや、きっと、毒ならまだいい方だ。
この男の究極の力は、今は主人となった自分が制御していることになっているが、もし、それが解放されたのなら、その威力はピンポイントで主要都市を広域で殲滅できる、核弾頭を積んだ巡航ミサイル並なのだ。

ただ幸いなことに、この男はイージス艦のように、七つの海を自由に越え、世界の何処にでも行ける――そんな移動能力が欠落しているのが幸いなのだが。


――果たして、私は、本当にそれを制御できているのかしら?


少女はそう思いながら、自分を凍るような視線で見つめてくる吸血鬼を無視することに決め、執務机の書類へと視線を落とした。
1ページ、2ページと捲り、鉛筆で書き込みをしながらも、少女は肌に突き刺さる氷のような冷たくて痛い視線に集中力を削がれ、結局我慢が出来ずに、再び、その面を上げる。

そして、やはり黙ったまま、まだ幼い自分の主人を、魔がしい赫の目で圧力をかけるように見ている吸血鬼の視線を撥ね返すように、鋼鉄の意志を込めて視線を据えた。

インテグラは、自分の仕事の邪魔をする吸血鬼を、怒りで明度を上げた硬質な青の瞳で見つめた。

「私を見て何が楽しいの、アーカード?仕事の邪魔だわ!私に眼をとめるのは止めなさい、吸血鬼。」

美しい青の瞳からサファイヤの破片が飛び散るような彼女の怒った顔を見て、吸血鬼は、ニィっと口を裂くと牙を覗かせて夜族らしく笑う。

「お前はケダルの天幕か?それともサルマハの幕屋なのか、インテグラ。」
吸血鬼が愉しげに紡いだその言葉に、インテグラは一瞬不審な色を浮かべたが、すぐにその頬を紅潮させた。

「お前がっ・・・夜族のお前が、一体、何に例えようっていうのよ、この恥知らず!!」

少女が狼狽した様子を見て、男はさらに皮肉気な笑いを顔に刻んだ。

「恥知らずとは、誰がだね。私がかね?それともその例えた相手かね?処女懐胎などと言うほうが恥知らずだと、私は思うがいかがかね、我が主?」

男はどこから見ても清廉そのものの初心な少女をからかって面白そうにクツクツと笑う。
そんな吸血鬼の言葉を聴いて、顔を紅潮させて怒りと狼狽をない交ぜにしながら、何を言って反論していいのか困りきっている少女を暫し眺めた吸血鬼は、笑いを止めると顔から皮肉や揶揄の気配を消し、低い声で言葉を紡いだのだった。

「『美しい、私の焦げた色に眼をとめるな』とお前は言うのか、我が主人。お前の陽にやかれたような、その焦げた色は、吸血鬼の目を止めたままに出来るほどの、美しい色合いだと思うがね、お嬢さん。」

陽に焼かれることを忌む男が何を言うのか!!と、口を開きかけたが、顔をさらに紅潮させた少女は、プイっと視線を吸血鬼から逸らした。
この肌の色は、自分が自分である証なのだ。父も執事も、屋敷のものも、皆、そのキメ細やかで美しい色合いを褒めてくれる。だが、屋敷を出れば、それは批判や差別の対象で、このイギリスの貴族階級にあっては、それは決して好ましい肌ではないのは事実だった。

だが、この吸血鬼は、この肌を美しい色合いだと言ってくれた。
それは、皮肉や揶揄でもなく、異国生まれの吸血鬼がそんな肌の色には抵抗がないから、そう思っただけなのかもしれないし、あるいは、歳経た吸血鬼が弄する、女を誑しこむ方便なのかもしれない。

だが、生真面目で素直な性分のインテグラは、視線を少し自分の従僕から逸らしたままで、「ありがとう、アーカード。私の肌の色を褒めてくれる人ってそう多くないから、嬉しいわ。」と、小さく口を開いた。

「でもね、気になるから眼をとめないでくれる?お前の視線は強過ぎて、目を止められると、気になるのよ、アーカード。」

しかし、礼を述べた後の、従僕への要請は、はっきりとした口調で言ったインテグラ。

そんな清廉なのに剛毅な主人が、再び熱心に仕事に向かった様子を、時折盗み見るようにしながら、男は愉しげで満足そうな、あまり害のない微笑を口元に浮かべるのだった。





「イスラエルの娘たちよ。私はケダルの天幕のように、サルマハの幕屋のように黒いけれども美しい、私の焦げた色に眼をとめるな。私は陽にやけた」(旧約聖書・雅歌)



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