昼休みにちょこっと息抜き・・・というか、妄想吐き出してスッキリ?するために浮上した管理人です。
短めですが、パロの続き。
今回から「クロイツェル・ソナタを奏でん」→「クロイツェル・ソナタ」とタイトルを変更。これも仮タイトルなんで、本家格納時には些か変更になるかもしれません。
お題は「ベートーベン」の方ではなく、「トルストイ」の方のソナタから引っ張っておりますw
【ご注意】
・お題は「アーグラでホストパロ 18禁」です。
・格好いいお嬢さまや旦那が出てくる話には、到底、なりそうにもありません。
・完全なるパロディです。ヘルシングの内容からは大きく外れております。
以上をご了解の方のみ、「続きはコチラ」をクリックしてお読み下さい。
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クロイツェル・ソナタ その2
幾らなんでもヘルシング家の人間が、そんなところで働いているというのは体面が悪かろう――と思ったのだが、依頼を受けた先の店は、以前、友人から連れて行かれたのとは違う店だった。
場所も、店の作りも、訪れる客層も。インテグラの記憶にあった店とはまるで違っていて、紳士が通う「クラブ」の女性版を目指したような趣だった。ただその女性の社交場には、姿形が整った見目麗しいと思われる色々なタイプの男性がいるのが、純然とした社交場とは異なる趣だったのだが。
このクラスの店だったら、面白半分に小遣い稼ぎも兼ねて、貴族の子弟がバイトをしていた――としても、それほど醜聞にはなりはしないだろうと思えるものだった。
まあ、バレて多少は騒ぎになっても、「あのアーサーの娘だからなぁ~・・・・・・」と、きっとそんな風に話が落ち着くに決まってる!とインテグラは眉根を寄せる。
そして知った気でいた父の友人は意外にも手広く事業をしていて、こんな風な店も複数店舗持っているのだと聞かされたときは、『大人の事情と言うものは、それぞれに奥深いものだなぁ~』と、特定部分がまだすっぽりと父親の作った鉄壁の箱に収まったままの箱入り娘は、のんびりそう考えるのだった。
だが、「混乱と厄介ごと、揉め事の発生を防止するため、一応、男だということにしてくれ、インテグラ」と頼まれたときには、小鼻を膨らませ目尻を吊り上げ抗議の声を上げたのだった。
そもそも女の自分が「男」でまかり通る筈がない!!
そう抗議した彼女に、「大丈夫だ。私が保証する。」と力を込めて言った父の友人は、何も心配要らぬとばかり鷹揚に頷いた。その時は、「まさか?!そんなことはありえないですよ!すぐにバレますって。」と憤慨して言い切ったインテグラだったのだが・・・・・・
引き締まった痩身の彼女は、胸の控えめなふくらみが目立たないような下着と服を身につけると、声も割りと低めのせいか、少年とも青年ともつかぬすっきりとした中性的な風情になるのだった。
そんな彼女を誰も「女性」とは思いもしないし、そもそもホストクラブで働くのは皆「男性」だと言う先入観念も手伝って、誰もインテグラを「女性」だと疑う者すらいないありさまになるのだった。
――なんだってんだ、誰も私を「女じゃないのか?」と疑いもせんのかっ!!
2週間たっても、3週間たっても。もう1ヶ月もなろうか?という頃になっても・・・・・・
誰も疑問も持たない現状に、インテグラがむすっとした顔で葉巻を吹かしながら、シフト表のチェックをしていると、彼女と一緒に内勤の仕事をしているハインケルがその表を脇からひょいと覗き込んだ。
その同僚もインテグラ同様、ここに来てまだ日が浅いらしい。
ハインケルが慣れない仕事を一人でこなして休む暇もないのでは、大事な出勤管理でその内ポカをしでかすのではないか――と、心配したオーナーが、最高責任者に頼んで信頼の置ける人材を配置してもらった結果として、インテグラが今ここに居る現実があった。
「この時間だけど―――ほら、ここ。」
本指名が少ないプレーヤーが固まってる時間帯があるだろ?ここら辺は、本指名を複数持ってるプレーヤーから、どんどんヘルプ指名してもらえるように根回ししておいたほうがいいと思うんだよ――そんなことを言いつつ、初心者の彼女に一からわかりやすく説明してくれる気が利く男の指先の示す先を眺めたインテグラは、「そうだなぁ~確かに・・・・・・」と相槌を打つ。
出勤管理やキャッシャー、カウンターやウエイターや事務作業は、コツを覚えればインテグラにもそれなりにこなせるのだったが、こう言うテーブルの客に対してホストを席につかせたり、抜いたりするような要領のいる仕事はまだまだ難しかった。
もともとこう言う仕事はホストを引退したベテランがなるらしい。今は、何故かは知らないが、ホストで入ったのに自ら内勤に転向を願い出たこのハインケルと、「次の人材を見つけるまで」と云う期間限定勤務のインテグラでこなさなければならない、厳しい事情があった。
それにこの店には、中々に食わせ者で癖物、難物のホストが多い。
真面目だが融通が効きにくい、仕事をはじめてまだ日が浅いインテグラだけでは、到底、出勤管理の予定表を組むのにもホストたちと揉め事が起きるのは必須だったが、その辺りをこの男がカバーしているのだった。
「では、ここら辺の事情は、マクスウェルに頼んでおくから。」
先日、中間管理職的立場でもあるマクスウェルと、新人教育とミーティングの時間配分の進行で正面からぶつかったばかりのインテグラは、鉄拳制裁を厭わないあの面長な男の顔を思い浮かべて、心の中でチッと舌打ちした。
だが、ハインケルにはそんな素振りも見せず「すまないが、よろしく頼む」と、ちょっと聴くと不遜なのに、人を不快にさせない口ぶりでそう頼むのだった。
「いや、こう言う仕事は嫌いじゃないから。ここは厨房がちゃんといて、内勤が厨房に立たなくていい分、楽だから」と、そんなことを人当たりのいい笑顔で言ったハインケルは、インテグラのその月色の髪をひと房掬うと、「君は中々に不可思議だよな」と、目を細めて首を傾げた。
「人に頼むその言葉使いも、この長い髪も。男がこんな風に、女性もののシャンプーの香りをさせてるのって、意外と違和感をかき立てるもんなんだけど。君の場合は何故か違和感がないな。」
インテグラの冷たい黄金色した髪から手を放して、その絹糸のような髪をはらりと散らして弄んだハインケルは、「そのホワイトローズの匂いは中々に似合っているよ」と言って、インテグラを残して事務室を後にしたのだった。
部屋から出て行ったそんな男の後姿を見送ったインテグラは「誰も自分を女だと疑わないのか?」と腹を立てている場合ではないと、口元を引き締める。
客である女性が、自分の担当が幾ら仕事とは言え他の女と頻繁に口を利くのを見れば、いらぬ嫉妬や詮索を招いて、それはトラブルと売上低下の原因にもなる。
それにここはそれぞれがそれぞれの指名客を抱え、店という場所を借りて仕事をしている自営業者の集まりのような場でもあるのだ。
女性を楽しい気分にさせる配慮と技巧もある分、常に順位付けされている歩合制の彼らは、色々と気難しくて抜け目ない曲者が多い。
厄介ごと、揉めごとに、これ以上巻き込まれるのは、彼女も御免こうむりたい。
何せ今の本業は学業なのだ。
次の担当者が決まるまでの間は、女だと知られない方が何かと都合がいいことを身を持って最近解ってきたインテグラは、『今夜からでも、早速シャンプーを変えなくちゃ』―――と、黄昏の赤い光りが差し込む部屋で、そう考えたのだった。
つづく
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お嬢さまは普段からベルバラの勢いなので違和感ありませんね・・・王立国教騎士団長=男装の麗人というか。そんなイメージ。
そしていきなりハインケル(笑)
私の中では、意外と気配りさんなイメージであります。
しかし、どうにもBLを書いている錯覚になるのは・・・いや、ただの錯覚ですor2
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