【ご注意】
・お題は「アーグラでホストパロ 18禁」です。
・格好いいお嬢さまや旦那が出てくる話には、到底、なりそうにもありません。
・完全なるパロディです。ヘルシングの内容からは大きく外れております。
以上をご了解の方のみ、お読み下さい。
クロイツェル・ソナタ その1
「――だからだ。手伝ってやれ。」
期間は次が見つかるまでの間でいいそうだ。内勤だし、お前が実際に相手をする訳でもない。それに客は女ばかりだし、何の心配もいらない―――娘と目をあわさないようにして、あらぬ方向に視線を泳がせてそう頼む父親に、インテグラは呆れた声を上げた。
「何を言ってるんですか?!私は女なんですよ。男勝りと言われますが、これでもれっきとした女です!ホストと云うのは男の仕事でしょう?」
つい最近、一度だけだったが、大学の友人たちに強引に連れられて、行きたくもないそう言う店に連れて行かれた彼女は、「何故、私がそんな場所で働くんです?」と、自分の父を仁王立ちしたまま睨むように見つめた。
いや、それは分かってるってば、インテグラ。ただな・・・・・・お前はその、凛々しくハンサムだろう?その容姿は、女受けもいいし。第一、ヘルシング家の娘だったらこれ以上の信用はないと、そう言うんだ。
あそこの最高責任者が、たまたま遊びに来たお前を見つけてな・・・・・・『あれ?あれはアーサーの娘じゃないか?!』と。まぁ・・・・・・その、何と云うか、どうしてもと頼まれたんだ。
ソファに座ったまま天井付近を仰いで、そんなことをもそもそとしゃべっていた娘の父親は、いきなり立ち上がると仁王立ちのインテグラに近づいてその手を取り上げ、両手で包んで、有無を言わさず口火を切った。
「だから頼む。代わりが見つかるまででいいらしいから。私にもそこら辺色々と事情があると察してくれ、インテグラ。今、この時期に、あの男の頼みを断ることは出来んのだ。大丈夫、お前なら出来る!それに客は皆女性だから安心だ。不埒な真似をされることはない。と、云うことで、頼んだぞ、我が娘。」
そう言って娘の手をブンブン振って強引な握手をしたヘルシング家の現総帥は、逃げるように急ぎ足でその部屋を後にしようとする。
「―――お父様。事情と云うより、何か弱みでも握られてませんか?」
娘の冷たい声がその広い背中に突き刺さると、アーサーは満面の作り笑いを浮かべて、「この私にそんなものがあると思うのかね、インテグラ」と振り返り、白々しく笑う。
「お前には学業もあるから、まずはそちらを優先と云うことで話もついてるんだ。心配はいらん。次が見つかるまでの代役だ。そしてこれは外の世界を知って観察力と洞察力を身につけるいい機会でもある。何でも肥やしにするつもりでやってみろ、我が娘っ!まずは頼んだ!!」
口の両端を引き上げて豪快に笑った当主は、娘がチッと鋭く舌打ちしたのを聴くと、この話はもうお終いとばかり、逃げるようにその部屋を後にする。
「では、私はこれから大切な集まりにでかけるから。ああインテグラ、先方にくれぐれもよろしく」と、締めかけた扉の隙間から顔だけを覗かせてそう言ったアーサーは、あっという間にいなくなってしまったのだった。
「―――まったく、あの人ときたらっ!!」
自分の父親は豪胆、剛毅で寛容で、肝も太いし策も練られる――と、評価もそこそこで人望は厚いのだが、こと酒と女に関しては全くどうしようもない時がある。
――喧嘩ッ早いのと、女好きなのと、酒好きなのと・・・・・・これさえなければ、最高のヘルシング当主なのだがな
そう考えたインテグラは眉間にシワを刻んで溜息をつくと、「父上・・・・・・ホストは客が女性ですが、同僚は男ばっかりなんですよ。」と呟き、父親から手渡された名刺を手の平で弄んだ。
その淡いベージュ色した名刺には、父の古くからの友人の名前が印刷されている。
ヘルシングの体面を思いっきり汚しそうな弱みを握られているらしい父親の尻拭いをするために、もう一度溜息をついたあと、インテグラは名刺に書いてあるナンバーに、重い指先で電話をかけたのだった。
つづく
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ホスト=旦那 じゃなくて、ホスト=お嬢さま を真っ先に考えたアタシは、一応これでも根っからのお嬢スキーなのであります。
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